カーポートには、愛車を保護する重要な役割があります。
このカーポートの設置工事については、依頼する前に事前に対応を考えておかないといけないポイントがいくつもあります。
今回はエクステリアのカーポートの種類や設置する際の建ぺい率の関係性や設置時の注意点を解説します。
今後の家づくりや設置時の参考として役立ててください。
□エクステリアのカーポートの種類について
カーポートとは、屋根と柱で構成された簡易的な車庫のことを指します。
ガレージと混同されやすいですが、ガレージは、屋根・壁・シャッターで構成された建物のことを言います。
カーポートは壁に囲われていない車庫で、ガレージは壁で囲われている車庫と理解しましょう。
カーポートには様々なサイズがあり、一般的には車1台用が主流となっていますが、車の大きさによって変わってきます。
どんなご家庭のどんな車にもマッチできるようにさまざまな種類が展開されています。
1台用の種類としては、片方支持タイプ、両側支持タイプ、後方支持タイプなどがあります。
それぞれのメリットとして、片方タイプは駐車の際、柱が邪魔になりにくく、両側タイプはデザイン的にも性能的にも安定感があります。
また、複数台用カーポートも1台用と同じく種類が多く、基本形からY合掌・M合掌などから住まいに合わせたものを選べます。
見た目でお住まいの雰囲気も変わるので、お悩みの際は希望の雰囲気に合わせると良いでしょう。
□エクステリアのカーポートを設置する際の建ぺい率の関係について
カーポートは、建築基準法上自動車車庫として建築物に当たるため、設置する上で建ぺい率を考慮しなければなりません。
建ぺい率とは、建築面積の敷地面積に対する割合を示したもので、「建築面積 ÷ 敷地面積 × 100」の計算式で求められます。
建ぺい率は建築基準法53条で規定されており、屋根と柱を有するカーポートでも上限を超えないよう注意する必要があります。
建ぺい率は用途・地域により、30%から80%の範囲と決まっています。
すでに住居の建ぺい率が上限だと、カーポートの後付けができません。
また、建築基準法で定められている建築物には、建築確認と呼ばれる手続きが必要な場合があるため確認が必要です。
気を付けておきたいのが、カーポートは高い開放性を有するため、一部を建ぺい率に含めないで済む緩和措置があることです。
具体的な緩和条件として、柱の間隔が2メートル以上、天井の高さが2.1メートル以上、外壁のない部分が連続で4メートル以上連続して1階建てであることが条件となっています。
防火地域・準防火地域は都市計画法で定められており、火災の際にできるだけ延焼を防ぐことを目的として、いろいろな規制があります。
車庫も建築物なので、この規制に従わなくてはいけません。
□カーポート設置時の注意点とは
1つ目は広さです。
駐車したい車の台数やサイズ、敷地面積により、選ぶカーポートの広さは異なります。
ドアの開け閉めや乗り降りをするためのスペースも必要となるため車の横幅ギリギリではなく余裕をもったサイズにしましょう。
2つ目は強度です。
豪雪地帯や台風が多い地域では、一般的なカーポートでは強度が不十分です。
カーポートは一般的に耐積雪や耐風圧の数値が示されているため、その数値を参考にしつつ居住地域にあった強度のカーポート選びが必要となります。
強度が不十分だと、周りを巻き込んでしまう事故が起きかねないので注意しましょう。
3つ目は場所です。
設置場所も考慮に入れなければなりません。
周辺に樹木がある場合、成長するとカーポートに接触する危険性が高まります。
また、木の葉がカーポートの屋根にたまり掃除が大変になるほか、屋根や柱を傷つけることも考えられます。
設置場所に成長する木がある場合は、設置前に伐採すると良いでしょう。
4つ目は近隣への配慮です。
隣家に接するようなカーポートの設置は、配慮が必要となってきます。
屋根が隣家に向かって下がっている場合は、近隣トラブルの原因となりかねません。
屋根の傾きには注意した上で、設置前には隣家の人に一言挨拶するのが好ましいでしょう。
5つ目は将来を見越したカーポートの大きさにすることです。
新たに設置する場合、車のサイズや台数を考慮して選ぶ必要がありますが、現在持っている車だけでなく、将来を見越した選び方も重要です。
ポイントとして、今後台数を増やす予定の有無や自転車やバイクなどの軽車両の入庫の有無を考えた上でカーポートを設置するのが良いでしょう。
□まとめ
今回はエクステリアのカーポートの種類や設置する際の建ぺい率の関係性や設置時の注意点を解説しました。
住宅の外観に彩りを提供するエクステリアの中でも存在感が強いカーポートは、やはり本来の性能だけでなくデザインにもこだわりたいものです。
大切な家族の愛車を毎日守ってくれる存在になるため、素材選びやデザイン、住宅との調和、価格などを総合して、最も納得のいくものを見つけて設置するようにしましょう。