「カーポートの設置を考えているけど、何に注意して進めていけば良いのかわからない」と悩んでいる方はいませんか。
カーポートの設置には、建築確認申請や建蔽率などの聞き馴染みがあまりない言葉に注意する必要があります。
そこで今回は、カーポートの設置に関わる注意点について紹介します。
□建築確認申請について
カーポートを設置するときには、建築基準法や都市計画法などの定めによって、基本的には建築確認申請を行う必要があります。
申請を行うことで、建築主事から確認済証の交付を受けます。
ただし、床面積が10平方メートル以下で防火地域・準防火地域ではない場合は申請をする必要がありません。
細かい規定は自治体によって変わるため、ホームページや役所で確認するようにしましょう。
この申請は建築主によって行われるのが基本ですが、建築士に代行してもらうことも頻繁に見られます。
理由としては、立面図や配置図、付近見取り図などの図面を出す必要があり、素人にとっては難しい場合があるからです。
□建蔽率について
カーポートを含む建物を建てるときには、建蔽率を意識して行う必要があります。
建蔽率という言葉に馴染みがない方が多いでしょう。
建蔽率とは、敷地の広さと実際に建築する家の面積の割合のことで、その計算方法は建築面積を敷地面積で除することで出た値に100を乗じて出します。
建蔽率は法律と自治体によって上限があるため、それを守る必要があります。
例えば、建蔽率が50パーセントと定めている自治体があり、敷地面積が100平方メートルだった場合、住宅とカーポートを含めた面積は50平方メートル以下にする必要があります。
以上のように、敷地面積が広ければ大きい家が建てられるとは限りません。
カーポートを大きく作りすぎたことが原因で住宅が狭くならないようにしましょう。
□カーポート設置の注意点について
続いては、カーポートを設置するときの注意点について4つ紹介します。
*周りのものとの距離について
まず初めに、カーポートを設置するときには、住宅やエクステエリアとの位置を気にしながら進めるようにしましょう。
カーポートを自宅や外構、植栽の近くに置く場合、地震や台風で揺れたときにお互いがぶつかり傷つく可能性があります。
また、カーポートに覆いかぶさる場所やカーポートの敷地内に樹木が生えている場合も注意しましょう。
自然災害によって樹木が折れたり、樹木の成長によってカーポートが壊れたりする場合があります。
もし、カーポート設置予定の場所に樹木がある方は、伐採も検討してみると良いでしょう。
*隣家とのトラブルについて
続いては、カーポートが原因で隣家とのトラブルに発展しないように注意しましょう。
よく見られるトラブルとしては、雨水や溶けかかった積雪が隣の敷地に流れていくことです。
その結果として隣家の車や庭を汚してしまい、トラブルに発展することがあります。
この原因としては、カーポートの屋根が斜めになっていることが挙げられます。
雨樋(あまどい)の取り付け位置を気をつけることで未然に防げるでしょう。
*人の通る隙間について
建蔽率を意識しすぎるあまり、車の乗り降りのときの隙間を忘れてしまう方がいます。
よく見られる例としては、2台用の両足支持タイプのカーポートを設置したときに、柱が後部座席のドアと接触して開けられなくなることです。
設置を検討する段階で、実際に使用したときのことを想定するようにしましょう。
一般的には、天井までの高さは2.1メートル以上、幅2.5メートル、奥行き5メートルが目安と言われています。
また、現在の車の大きさには対応できても、将来車を買い替えたときに対応できなくなる場合もあります。
「今後、家族が増えて車を買い替えないか」「バイクや自転車を購入したときの場所はあるのか」「車の台数を増やす可能性があるのか」などを頭に入れながら検討を進めるようにしましょう。
*豪雪地帯や急傾斜地について
豪雪地帯や急傾斜地に住んでいる場合は、より注意が必要です。
豪雪地帯の場合、雪の重みによってカーポートの屋根が壊れる可能性があります。
また、急傾斜地についても、土壌がしっかりしているのか確認する必要があります。
土壌がしっかりしていなかった場合、台風や豪雨によって地盤が緩み、カーポートが壊れる可能性があるでしょう。
これらを防ぐためには、カーポートの形状だけでなく、素材にもこだわりを持って検討を行いましょう。
形状や素材に関する知識があまりない方は、専門業者のホームページを見る、実際に聞くといった確認作業が大切です。
カーポートが壊れた場合は愛車だけでなく、住宅にまで被害が及ぶ恐れがあるため、お住まいの地理的状況を考慮しましょう。
□まとめ
今回は、カーポートの設置に関わる注意点について紹介しました。
カーポートを設置するときに考える必要がある建築確認申請や建蔽率などを理解できたと思います。
実際に使うときのことを想定しながら検討を進めていくようにしましょう。